主に知的障害や精神疾患を持つ人たちによる創作物の魅力を社会に発信するプロジェクト
2011年、このプロジェクトを立ち上げた当初は、フォトグラファーやジャーナリストと取材チームを編成し、障害者施設の実情をルポタージュすることを目的にしていた。
実際に施設への訪問取材を進めるうちに、知的障害や精神疾患をもつ人たちによる創作物の魅力に引き込まれ、これらをもっと多くの人に見てもらいたい、知ってもらいたいという思いが強くなり、気がつけば活動の主軸は彼らの創作物のプロモーションへとシフトしていった。
これまでに、展覧会の企画やキュレーション、ファッションブランドへの展開、ドキュメンタリー映画製作、作者のポートレート写真集の出版など、アウトプットの領域にこだわらず、様々な手段で彼らの才能や魅力を発信してきたが、一貫して伝えたいことは、障害者を取り巻くネガティブな問題は彼らの特異性に起因するのではなく、周縁が作り出した社会の歪み(DISTORTION)だということだ。
その歪みと対峙し、真っ直ぐな眼差しを持つことの大切さを、彼らは創作を通して私たちに教えてくれている気がしてならない。