コラム【WEB編】
Xux Column
WordPress(ワードプレス)とは
ワードプレスとは、Automattic社より提供されているブログやホームページを作成できるソフトウェアの名前です。2003年に初めて公開されました。
WordPressは世界でもっとも使われているCMS(Content Management Systems: コンテンツ管理システム)で、W3Techsによると、主要なWebサイトの40%以上がWordPressで運用されており、CMS内でのシェアは60%以上と言われています。
WordPressを使うことで、Webサイトのコンテンツの投稿・編集を非常に簡単におこなえます。
そのため、Web制作に携わるデザイナーやエンジニアはもちろんのこと、マーケターやディレクターなどの非技術職にとってもWordPressの知識は重要です。
WordPressはPHPで書かれており、データベースとしてMySQLを採用。
マルチバイト文字に対応しているため、文字エンコーディングを適切にすれば、英語版のWordPressでも日本語によるブログを作成することができます。
また、日本では、WordPress Japanによって日本ユーザー向けパッケージである「WordPress ME」(WordPress Multilingual Edition)が配布されています。
WordPressはGPL(GNU General Public License)のライセンスに基づいて公開されているオープンソースソフトウェア(OSS)であり、誰でも自由に開発を行うことが可能です。
また、PHPで書かれているため、PHPに関する知識があれば比較的容易にテンプレートの改良が可能であるといったメリットがあります。
CMSとは
CMSは「Contents Management System」の略称で、日本語では「コンテンツ管理システム」といいます。
具体的にはWebサイトの各ページに適用させるデザインや構成などを統合的体系的に管理でき、2005年ごろには広く普及され始めたコンテンツ・マネジメント・システムのことを言います。
「コンテンツ管理システム」とは、ウェブサイトの制作や管理・更新を簡単におこなえるシステムの総称です。
従来、ウェブサイトを構築するためには、HTMLやCSSのコーディングといった特別なスキルが必要でした。
しかし、CMSはそのようなスキルがほとんど必要ありません。
Wordのような使用イメージで、管理画面から画像やテキストを入力します。
技術者に頼ることなく、自分で様々なウェブサイトを制作・管理・更新できる点が大きな特徴です。
WordPressのメリット
WordPressのメリットは主に下記のようなメリットがあります。
無料で配布されている
WordPressのソフトは、公式サイトから無料で配布されているため初期費用が安く抑えられる事が最大のメリットです。
しかし、実際にサイトとして稼働させるためには有料のサーバーと契約し、サイトのURLになるドメインを獲得する必要があります。
サーバーの提供元やプランによっては、サーバーを契約するとドメインが無料で獲得できることもあります。
よりコスパよくWordPressを利用できる環境を整えましょう。
初心者でも使いやすい
Web制作初心者やホームページを作った経験がない人でも比較的簡単にサイト構築ができます。
HTMLやCSSなどの専門的なプログラミング知識がなくてもサイトを構築・更新できるのは大きなメリットとなります。
具体的には、エディタ上で簡単に見出しタグなどを設定できたり、文字色変更やデザイン変更、強調なども直感的にできる点が非常に便利です。
WordPress上の「メディア」に画像をアップロードすることで、画像の管理が簡単にできます。
ほんのわずかな時間で任意の画像をアップ、削除できます。
また、クラウド上に画像がストックされるので、PCのローカルから元ファイルを削除してしまっても、メディア上から画像を使用できる点も安心感があります。
ブログやオウンドメディアなどの記事を投稿するのもらくらくです。
記事の投稿時間の設定や、投稿済の記事の下書き化や削除、画像の挿入やタイトルの変更などもあっという間に対応できます。
また、エディタ画面も、ユーザーが使いやすいようなデザインのため、はじめてブログ記事を書く方でも問題なく使用できます。
サイト制作に必要な要素がほぼ揃っている
デザイン面や、SEO対策などのマーケティング面でも、ワードプレスは重宝します。
テーマやテンプレート、プラグインを柔軟にカスタマイズでき、その種類も豊富にあることから、WordPressを導入すれば、Webサイト構築におけるやりたいことはかなりできるようになります。
WordPressはそのシェアの大きさと使用ユーザーの多さから、たくさんのプラグインが存在しています。
自分たちの作りたいWebサイトに、必要なプラグインをセットすることで、より成果につながるサイトづくりができます。
たとえば、カレンダー機能や、SEO対策に役立つプラグイン、スパム対策、SNSでの拡散がされやすくなるようなもの、コメント欄に関連したものなど。
種類が多すぎて悩んでしまうくらいの量のプラグインが存在しています。
プラグインは更新することで機能が使えなくなったり、反対にアップデートされないことで、問題が起こる場合もあるので、定期的なアップデートは忘れないようにしましょう。
拡張性が高い
拡張性とは、サイトを使いやすくするため、機能を追加するなどしてWordPressの機能を向上させることを指します。
WordPressの機能を拡張させるには、おもに以下の2つが大きく関わっています。
・テーマ
・プラグイン
テーマとは、サイト全体のデザインや機能を決める雛形のようなものです。WordPressには、無料で使えるテーマがたくさんあり、迷うほどです。
コーポレートサイトや予約サイト、ブログなど用途に合わせて選べます。またテーマは簡単に変更できるため、ホームページのリニューアルなど、デザインを変えたいときにいつでも変更できるのも魅力的です。
プラグインとは、WordPress本体やテーマにはない機能を追加できるプログラムです。WordPressの公式サイトに登録されているプラグインは安全性が高く、種類も豊富なのが魅力的です。
文字のフォントや装飾を増やしたり、問い合わせフォームなどを追加できるため、さらに質が高いサイトを作れ、エンジニアが工数をかけずとも、多くの場合で望む機能を即座に実装することができます。
しかし、プラグインのバージョンアップや、セキュリティの面など、知識が必要となる面もあるため、むやみに使用する事には危険があります。
参考資料が多い
ワードプレスは利用者や開発者が非常に多いため、インターネット上や書籍に参考資料が豊富に揃っています。
カスタマイズの仕方を知りたい、トラブルを解決したい、といった時も検索すれば大抵のことは解決しやすい事もメリットとなります。
などが大きなメリットと考えられます。
WordPressのデメリット
WordPressにはメリットはメリットが多くありますが、下記のようなデメリットもあります。
ホームページの脆弱性
WordPressでもっとも大きなデメリットは、セキュリティを気にした場合、脆弱な部分が発見される可能性が高いという事かもしれません。
システムの脆弱性問題というよりは、WordPressが世界中でホームページに使われているため、狙われやすいといったほうが正しいかもしれません。
セキュリティの強化には、ある程度の専門知識が必要となります。
ページの読込み速度の低下
ワードプレスではプラグインやjsなどが多くなりがちな事も原因の一つと考えられますが、ページの読み込み速度が遅くなってしまうというデメリットもあります。
最近ではスマートフォンの普及に伴い、外出先などで回線の問題からネットワークスピードが遅い環境にてホームページを閲覧する場合もあります。
表示速度が遅いと、ユーザーのストレスになり、コンバージョン(反響)に影響がでると言われています。
ホームページを必要以上に重くせず、読み込み速度をできるだけ速くするための工夫や、サーバーの選択や設定により速度を改善させることも必要となってきます。
細かなカスタマイズは専門知識が必要
WordPressの細かなカスタマイズには、フォトショップなどのデザインやCSS・HTML・PHPなどの専門知識が必要となります。
たとえば、プラグインのカスタマイズにはPHP、テキストサイズや行の間隔の変更にはCSSの知識が求められます。
また、オリジナリティのあるデザインに仕上げたいなら、画像作成・編集のスキルも必要となります。
なお、高度なカスタマイズをするときは、事前にバックアップを取ってからの作業をおすすめ致します。
くわえて、デザインのカスタマイズは子テーマをインストールしてからおこなってください。
このように、世界No.1シェアのWordPressにもデメリットがあります。
検索ランキングで上位を目指し、自社でお知らせやブログ記事を頻繁に書いてUPしたいという場合には、WordPressが最も最適だと思われます。
しかし、そうではない場合は、静的サイト・一般ブログの方がメリットが多いケースもありますので、WordPressを使うべきかどうかについては、慎重に検討する必要があるかもしれません。
WordPressのはじめ方
①ドメインを取得する
自分のサイトを公開するためには、独自ドメインを購入します。
ドメインとは、「https://○○○.com」「https://○○○○.co.jp」の「○○○○○○.com」「○○○○○○.co.jp」の部分で、任意の文字列に指定できることを独自ドメインといいます。
ただし、ドメインの文字列は早いもの勝ちとなります。
すでに使用されている場合は別のものを設定しないといけません。
ドメインは、次に解説する「レンタルサーバー」を申し込むと無料でつかえるドメインがついてきますが、独自ドメインの設定をおすすめします。
独自ドメインを持つことで、自分だけのオリジナルサイトを運営でき、サイトの信頼性が上がります。
また、サーバーを移転することになったとしても、ドメインは継続して使うことができます。
なお、独自ドメインは購入時と更新時に費用が発生します。
②レンタルサーバーを探す
WordPressを実際に公開し運用するためには、サーバーにインストールしなければなりません。
サーバーとは、サイトに関するデータやファイルを保管する場所を指します。
ユーザーは、サーバーにアクセスしてサイトを観覧する事となります。
レンタルサーバーとは、特別な機器をレンタルするわけではなく、インターネット上にあるサーバーという機能を利用する形になります。
サーバー自体を独自で作る上級者もいますが、初心者であれば月額1,000円ほどのレンタルサーバーで十分な場合が多いです。
③テーマを決める
ドメインを取得し、サーバーを選んだら、ワードプレスをサーバーにインストールし、Webサイトのテーマを決めます。
Webサイトのテーマとは、サイトのデザインや機能などのテンプレートの事です。
テーマを自作する上級者もいますが、初心者であれば無料のテーマからデザインを選ぶほうが良いかもしれません。
テーマを選ぶポイントとして、好みはもちろんですが、見やすく表示速度に影響のないシンプルなデザインを選ぶのがおすすめです。
また、海外製のものは日本語で表示するときデザインや文字列がずれる可能性が高いので、日本製のものを選んでおくと良いと思います。
一度テーマを選んでも後から変更することができるので、初心者のうちはシンプルなものから色々試していくと良いと思います。
まとめ
無料で利用でき、初心者でもわかりやすい操作性の高さから人気のWordPressですが、カスタマイズ性もあり上級者まで幅広く利用されています。
専門知識がない初心者でも自サイトを制作できるのがWordPressの魅力ですが、少しこだわったサイトを作るのには専門の知識が必要となります。
また、個人でWordPressでのWebサイトの制作に限界を感じるようであれば、プロに頼むことも検討しましょう。
例えば、ウェブデザイナーで静的なサイトは作れるけど、動的なサイトは作れない。
といった人でも、ワードプレスがあれば解決です。
他にもWordPressを使うことをお勧めする人は、特に更新頻度の高い企業サイト、複数人で管理する人にもおすすめです。
更新頻度の高い企業サイトに関しては、プレスリリースやお知らせなど、定期的にユーザーに対して情報を発信する必要がある場合、Web技術に詳しくない担当者でも簡単に情報を発信できることが挙げられます。
また、外部のフリーライターなどが多く参加して、複数人で記事執筆をする際には、ライターごとに記事編集の権限を設定できることも挙げられます。
専門的な知識があれば、いろんな可能性が広がるワードプレス。
皆様も是非、お試しになってはいかがでしょうか。