愛すべき服と、出かけよう。
生地の工場や問屋の倉庫には、さまざまな事情で眠ったまま世の中に届けられていない、素敵な生地がたくさんあります。
そして生地たちひとつひとつには、長所や短所があり、愛すべき性格があり、生まれてきた背景があります。
生地を知ると、服を着るのがもっと楽しくなる。
その服と出かけたくなる。人に会いたくなる。
身に纏っている服のことを、自分や誰かに語りたくなる。
汚れても、傷ついても、捨てずにずっと大切に着たくなる。
この企画はそんな、着る人と服との、長く幸福な物語の始まりの1ページです。
安く、気軽に、便利に、衝動的に、いつでも簡単に買える服もあるけれど、まるで小説を読みながら時間をかけて登場人物に惹かれていくように、生地を知り、世界に一着のオーダーで仕立て、その一着と共に出かけるたびに愛着が増し、思い出が積み重なっていく。
そういう服の楽しみ方があっても良いのではないでしょうか。