人々は、相手に愛情や友好関係を表現するコミュニケーションとしてハグをします。
八戸市美術館が掲げる出会いと学びのアートファームのコンセプトを、当館が展開する事業の2つ柱展覧会とプロジェクトで体現する企画として、ゲストキュレーターに、元・水戸芸術館の学芸員で、現在は東京都歴史文化財団でさまざまなプロジェクトを統括する森司氏を迎え、「美しいHUG」を開催します。
日本では、欧米のような日常的なハグの慣習はありませんが、意見や価値観が異なりつつも相手を認める時、敵対のないことを伝える時、試合で負けた相手にその強さと健闘を讃える時など、尊敬の念を持って交わし合うハグを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
コロナ禍で、世界的にも、ハグは回避することが推奨される状況ですが、現代社会においては、他者と必ずしも同一になるのではなく、それぞれが異なったまま出会い、リスペクトの上、エールを送り合うようなハグのマインドが求められている時代かもしれません。
新しくなった八戸市美術館では、「美術館での展覧会」と「地域でのアートプロジェクト」が有機的に交わるあり方や、さまざまな立場の人が作品を通じてハグをするように出会う場を生み出したいと考え、開館後2回目の春を迎える八戸市美術館の企画テーマとしました。
展覧会とプロジェクト、アーティストと八戸、音楽と美術、過去と未来、見えないものと見えるもの…。
さまざまなHUGを八戸市美術館から生み出し、そのことがこの美術館と地域を育む種となることを期待して、この企画を実施します。